感動する、憧れる。そこに、夢が生まれる。


あなたは、
【 夢 】を持っていますか?

【 夢 】について、
【 夢 】が持つ力について 
仲間と語り合ったことは
ありますか?

合志市に本社を置くセイブグループは、3年前に創立50周年を迎え、

また、2017年には、環境大臣賞を受賞しました。

その源となったのは、『感動力』。

そこで、皆様への『恩返し』の思いを込めて、9月1日(土)に、

感動教育家・高光 りょうすけさんを招き、

『ゆめ〜DREAM〜』をテーマにした講演会を開きます。

講演会を前に、地元合志市の市長である荒木 義行さん、

ロアッソ熊本の巻 誠一郎選手にも加わっていただき、

高光さんと共に、それぞれの【 夢 】について語り合う場が実現しました。

子どもの頃に抱いていた【 夢 】のこと、

【 夢 】を持つことの大切さ、

そして、将来に向けて、子どもたちへ伝えたいこと…。

たっぷりとご紹介します。

ロアッソ熊本 巻 誠一郎選手

熊本県立大津高等学校、駒澤大学を経て、プロサッカー選手に。
ジェフユナイテッド千葉在籍中の2005年に日本代表に初選出される。
2006年のワールドカップドイツ大会でフォワードとして出場。
2014年、ロアッソ熊本に移籍。熊本地震後、NPO法人「YOUR ACTION KUMAMOTO」を立ち上げた。

感動教育家高光 りょうすけさん

1987年から30年にわたって5000回以上の講演実績を元に、
メンタリティアウトによって効率的に自己表現力を高める
「高光メンタルメソッド」を開発。
メンタルトレーナーとして活躍するかたわら、
企業主催のセミナー、教育機関で講演を実施。
セイブグループの指導にも携わっている。

合志市長荒木 義行さん

警視庁警察官を経て、1986年国会議員秘書に。
1995年より熊本県議会議員を4期務める。
2010年より合志市長。2018年4月の選挙を経て、現在3期目。

夢は、今の自分と未来をつなぐもの
〜夢が芽生える瞬間〜

巻 選手
僕の最初の夢は、「ケーキ屋さんになりたい!」でした。3歳くらいの頃かな。
甘いものが大好きで、ケーキ屋さんになったら、毎日食べられるんじゃないかって(笑)。
それから、消防士。小さい頃は、全てが憧れからスタートしていたように思います。
小学校低学年の頃の夢は、父の影響もあって「プロ野球選手になりたい」でした。普段、遊ぶのも野球でしたし、父とのコミュニケーションもキャッチボールでした。
ただ、僕が住んでいた宇城市は、当時あんまり野球の試合がなくて。小さい時は、試合に出たい一心です。

巻 選手
一方、サッカーは盛んで、毎週のように試合をやっていました。
僕らの学校は児童数が少なかったので、サッカーならすぐにレギュラー(笑)。
体を動かすのも好きでしたし、すぐ試合に出られたのが嬉しくて。
巻 選手
次第にサッカーにのめりこんでいったんですが、高校まではアイスホッケーにも同じくらい打ち込んでいました。
野球やサッカー、アイスホッケーをやる中で、ずっと心の中にあったのは、「スポーツでご飯を食べたい」という思いだったんです。その意味では、プロサッカー選手になって、今のところ、その目標は実現したことになるんでしょうか(笑)。
高光 さん
巻選手みたいに、「あんなふうになりたい!」と感動して、憧れを持った時に、夢が芽生えると思うんですね。だから、夢と感動はすごくつながっている部分があるんです。
夢を見つけられない人や、夢を失くしている人も、ちょっとしたことで感動したり、巻選手のようにケーキが好きでケーキ屋さんになりたいと思ったり…。
私は、夢を持つきっかけって、感動することだと思っているんですよ。

高光 さん
今の世の中は、感動をなくしていると感じています。
最近は感動という言葉がよく使われますが、私が感動教育家として仕事を始めた時は「感動の力って、何それ?」という感じだったんですよ。
私が定義する「感動力」とは、いつでもどこでも感動できるような感性を育てていくこと。そのことによって、その人が持っている、まだ気づいていない可能性、能力や才能を引き出していこうと思ったのが始まりなんです。


高光 さん
私の子どもの頃の夢は、野球と音楽。
野球選手の長嶋茂雄になりたい、指揮者の小澤征爾になりたいって思っていました。

高光 さん
野球は大学まで続けました。
高校の時は甲子園でベスト8まで行きましたけれど、私は補欠で終わったんです。
その時に得たものすごい悔しさは、社会人になってから、彼らには絶対負けない人生を歩むんだというバネになりました。
夢って、今の自分と未来をつなぐものであって、遠くにあるものじゃないと思います。例えば「何年後にはこうなっていたい」という夢は、今、そう思っている瞬間の自分とつながっています。大切なのは、いつでも感動できる心、感性を育てることではないでしょうか。
感動の源は感謝です。ですから、感性、感謝があれば、いろいろなことに感動できるのじゃないかなと思っています。9月1日の講演のテーマでもありますが、「夢と感動は魔法のペア」なんですよ。
荒木 市長
お二人のお話を聞きながら、自分の夢って何だったかなあって、振り返ってみたんです。
実は、これという夢を持っていなかったことに気づきました。どちらかというと、社会人になって、人との出会いの中から影響を受け、感動=憧れの中から「こんな人になりたいな」と思うようになったんですね。


荒木 市長
私は今、政治の世界にいますが、人前で話すのが苦手でした。
小さい頃は、母親の後ろに隠れて覗き見するような、控えめで目立たない子でした。小学校の演劇会では、率先して「木」の役。じーっとして動かない(笑)。講演会を聞きに行っても、前の方に座ると意見を求められるかもしれないから、一番後ろの方に座る。常に目立たないようにしていました。

荒木 市長
そんな中、一つの出会いがありました。私の尊敬する方が、大衆を前にして颯爽とステージに登場されてスポットライトを浴び、皆を魅了するようなお話をされる姿を見た時です。
「かっこいいなあ!」と、その時初めて思ったんです。そこから憧れが始まったんですね。人を納得させられる話ができるようになりたいと思うようになりました。
高光 さん
素晴らしいですね!市長のお話を伺うと皆、勇気が出てきますね。
私も恥ずかしがり屋で、人前で話すのが一番イヤだったんですよ。
同じ中学から同じ高校に行った野球仲間は、私も入れて4人。1人だけレギュラーになって、他の3人は補欠でした。今思えば、そのメンタルの弱さをずーっと引きずっていて、人前に立つのが嫌だったんです。
ですから、今のお話を伺って、ものすごく勇気をいただきました。
荒木 市長
チームスポーツをしている時は、「僕の一つのミスでチームが負けたら…」と考えると緊張するものですが、巻選手くらいになると、自分のプレーでチームが負けたらなんて、考えてないでしょう? 
巻 選手
いや、常に考えてますよ。
荒木 市長
えっ!? そうなんですか?
自分のプレーでチームを勝たせるぞっていう前向きのメンタルの強さだけを持ってる人が、プロのスポーツ選手なのかなって思ってましたよ。
巻 選手
おそらく、サッカーをやっている人で、そういうメンタルを持っている人は一人もいないと思いますよ。
荒木 市長
高光 さん
そうなんですか。
巻 選手
僕もどちらかというと人前で話すのは苦手ですし、コンプレックスが強いタイプの人間なんです。
高光 さん
そうですか?
巻 選手
でも、僕はサッカーをやっている時だけは自分を解放できるんです。
高光 さん
なるほど。
巻 選手
自分を自分らしく表現できるということがあって、サッカーの魅力にとりつかれています。
ただ、常にポジティブな気持ちでいられるかというとそうではなくて。
ワールドカップの時もそうですが、やはりミスは怖いですし、人前で自分の感情を表現するのは恥ずかしい面もあります。それを打ち消すために日々トレーニングをする。
僕は、練習することで自分がポジティブになれる材料を増やしていこうとしています。
荒木 市長
ワールドカップに出場されるような選手たちは、私たちとは違って「強気の人」なんだろうなという印象。
一流選手といわれる人たちは、何かを克服するのではなくて、もともと自らを鼓舞できる素質を持っている人たちだろうと。ワールドカップに出るチームは、そういう人たちが集まっているんだろうと思っていました。
だから、私がどんなに憧れてもそこに自分が行けるとは思わない。
今、お話している巻選手は、子どもたちの憧れの存在ですが、「身近なお兄さん」という感じ。
私たちも頑張ったらその世界に行けるの?って感じがしてきますが、本当ですか?(笑)

巻 選手
いやぁ。本当だと思いますよ。
僕の場合はサッカーを始めたのも続けようと決めたのも遅かったので、ワールドカップや日本代表というものに対してあまり執着心はなかったんです。
荒木 市長
高光 さん
ええ〜!
巻 選手
今でもそうなんです。僕は、ワールドカップ出場や日本代表に選ばれることが夢とか目標じゃないんです。
それは代表に選ばれた当時も同じでした。
僕がプロになるまでの過程の中で、また、プロになってからも、僕を応援してくれる人、支えてくれるたくさんの人がいます。僕に関わってくださって、僕を好きでいてくれる人が、僕のプレーを見ることで「明日も頑張ろう」とか思ってもらえて、その一瞬だけでも自分を忘れて感情を発散してもらえるような空間を提供したいというのが、僕が目指してきたこと。
だから今でもサッカーを続けているんです。それが、夢であって目標です。

誰に喜んでもらいたいのだろう?と考える
〜夢に向かって〜

巻 選手
僕はまだ、夢や目標を達成していない人間だと思ってるんです。夢や目標に対するモチベーションは、維持しようというより、もっともっとという感じです。
昨日の自分を超えたい。未だに、今の自分に満足を得られていません。
サッカーは手を使わないので、うまくいかないことが多いスポーツ。でも、僕にとっては、うまくいかないことが面白かったんです。だから、うまくいった時に快感が得られて、成功体験をすごく強く感じることができる。僕はそこに魅了されているんだと思います。
それに、サッカーは問題提起、問題解決能力がすごく養われるスポーツなんですよ。
荒木 市長
社会人になる時は、「これが俺の夢だ!」ではなくて、「公務員だから安心」という理由で警察官になりましたが、仕事をする中で迷いも生まれました。そんな時、「人を知る、いろいろなルールを学ぶ」なら政治の世界にいる方が早いとアドバイスをいただき、議員秘書になりました。その時も政治家になるつもりは全くなかったんですけれど。
多くの政治家の方のお話を聞かせていただきました。上手な方が話されると、聞いている人皆が同じところで一斉にうなづく。中には手を叩いて「そうだ! 頑張れ!」という人もいる。「それで頑張れる仕事が世の中にはあるんだ」と思い、政治家になる決心をしました。

荒木 市長
そのためには、選挙を乗り越えなくちゃいけない。自分は控えめで、自分から前に出るなんて思ってもないこと。それでも、自分の演説で人を幸せにする、感動や夢を与えることができるのなら、と思いました。
しかし、勉強すればするほど奥が深い。人生の中で、初めて自分で掴み取ろうという努力を始めたように思います。人と出会い、自分を応援してもらえるようになるには、夢を語り、目標を語って、具現化していく熱意を伝えなくてはいけない。繰り返し繰り返し練習しました。

荒木 市長
辻立ちもしましたよ。「誰も聞いてない(笑)」と思うと、結構話せるようになってきて、自分の伝えたいことを言葉にできるようになりました。人が聞いているからと思って「良いこと」を言おうとすると緊張しますが、「私の伝えたいこと」を話せば熱が込もる。感動を求めるから間違うんです。
素直な気持ちを吐露し、それを理解してもらおうとすると、伝わるところはちゃんと伝わっていくんだと、結果で分かりました。毎日、もっとこんなことを話せば良かったとか、毎日落ち込みながらも、少しずつ応援してくれる人も出てきて、皆さんに理解していただきやすい話し方など、必死で訓練しました。

荒木 市長
いろいろなものを身に付けようと努力している時は、その努力は辛く感じないもの。むしろ楽しくて、だからきつい練習も乗り越えられるし、充実感を味わえるのかもしれませんね。私たちの仕事では、実現までに長期間かかる政策も多いので、夢が終わることはありません。

高光 さん
夢を追い続けるということは難しいことかもしれません。いつもうまくいくわけじゃないし、人生を振り返ってみると、むしろ失敗の方が多い。でも、成功した時の達成感とか喜びを味わいたいから頑張るんですよね。
夢でも、目標でも、願望でも良いので、心の底から「自分はこれをやりたい!」という気持ちを持ち続けることが大切です。
そしてその気持ちを継続するためには、夢を実現する理由を自分が良く知ることです。私は、メンタリティアウトと言っています。自分の心の内を出していって、なぜそれを実現したいのかを考えるんです。


高光 さん
次に、すごく大切なのは、巻選手が言われていた「誰に喜んでもらいたいか」。どんなに自分が頑張って努力して目標を達成したとしても、周りを見たら、誰も喜んでくれなかったというのでは達成感は半減します。自分が夢を実現させた時に、どんな人に、どんな喜びを与えたいのか。「そのために今何をするか」をいつも考えていくことが大事だと思います。

高光 さん
夢は遠くにあって、大きなものだけではないんです。
大きな夢は、実現が無理だと思うとすぐに挫折してしまう。しかし、一番大事なことは、身の回りの小さなことの積み重ねだと思うんですよ。それを教えていただいたのは高校時代の野球部の監督でした。いつも、「お前たちは、たとえ日本一にはなれなくても、日本一の努力はできるだろう」と言われていました。その時は、日本一の努力というのが何かは分かりませんでしたが、今では、日本一、世界一になったという想定のもとで、現在を生きるということだと考えるようになりました。
巻選手のように、多くの人が叶えたいけど実現は難しい夢を持ち続けていると、人と挨拶する時、握手する時の態度が自然と変わってくる。そういうことが人間力の向上となり、夢の実現につながっていくんだよと説き続けていくことが大切だと思います。

高光 さん
今回、『セイブグループ』が、環境大臣賞を受賞されました。合志市にとってもすごいことですよね。
坂井さゆり社長は、いつも先代への感謝を口にされます。地域への感謝や、荒木市長への感謝が、社長を通して社員全員にも表れているから、こうした受賞につながったと思っています。

夢を持ち続け、語り続けること
〜夢の後押し〜

巻 選手
僕は熊本地震が起こるちょっと前に、熊本に帰ってきました。
僕がプロを目指した時は、熊本にはプロサッカーチームがなかったんですよ。帰ってきた理由は、子どもたちや僕を支えてきてくれた人たちに、熊本で僕のプレーを見てもらいたい、プレーで恩返しできないかと思ったからなんです。
そんな時に熊本地震が起こりました。僕は、子どもたちに夢を与えられる職業に就いていますが、地震後は、子どもたちが夢を持てなくなったり、実現できない環境になったりしていました。


巻 選手
そんな中、僕の仲間の日本代表やトップクラブチームの選手たちが熊本に来てくれたんです。
その時の子どもたちの目はすごく生き生きしていました。本物を間近に見るのは、子どもたちにとって、すごく大切なことだと感じたんです。
そこでNPO法人「YOUR ACTION KUMAMOTO」を立ち上げました。今後、僕が継続してやっていきたいのは、子どもたちに本物を見て、感じてもらうこと。

巻 選手
僕もそうでした。本物に触れて感じた「憧れ」が、自分の夢や目標に変わっていく。
そして将来、ロアッソ熊本からプロ選手として日の丸を付けてプレーしたいと思う子が出てきてくれるような努力をしていきたいなと思っています。
荒木 市長
子どもたちが、「合志市には誇れるものがない」って、言うんです。
「友達を呼びたくても、皆が知っている場所がない」って。遊ぶ場所もないから、学校を卒業すると、皆出て行って戻ってこなくなるんじゃないかと私は心配なんです。

荒木 市長
そこで、今は子どもたちと『子ども会議』をやっています。
子どもたちが欲しいもの、学びたい場所、自慢できるものなど、いろいろなアイディアや意見を出してくれます。私はそれを、できる限り具現化してあげたい。友達に自慢できる街にしてあげたいなあと思っています。

荒木 市長
もう一つは、『正しい言葉教育』です。
合志市の子どもたちが使う言葉は、人に元気や勇気を与える言葉であって欲しいという思いから始めました。今の子どもたちは、言葉で人を傷つけます。それなら、人を元気づける言葉を発することが当たり前と思う子どもになってもらいたい。友達を励ます言葉がいい。日本にはこんなに綺麗な言葉があるということを繰り返し話しています。
巻選手のように、自分のプレーで瞬時に人を感動させることはできないけれど、日々の積み重ねの中で環境を整えることが、私の仕事かなと思っています。
高光 さん
大人の使命は、子どもに夢を語り続けることだと思うんです。
いつになっても、大人が夢を持ち続けて、語り続けること。実現できるかどうかではないんです。まず、感動から夢が生まれ、夢を持つことによって、そこからまた感動が生まれると思うんです。

高光 さん
そして、その感動のシャワーを子どもに浴びさせてあげること。子どもたちが持つ無限の可能性を引き出してあげるためには、感動を届けることが大切です。
先ほど、子どもたちが勇気や元気が出てくる言葉を使うという、市長の取り組みに大変感動しました。大人が話す力を身に付けることも大切だと思います。
私はそういうスクールを続けてきて、皆に、一生に一回は講演しましょう、人に夢や感動を与えましょうと言っています。我々大人が話す力を身に付けることが子どもの教育にもつながっていくと思います。

高光 さん
親は見守って、信じ抜くことが大事です。過度な期待をせず、見守ることです。夢は、変わるものですし変わっていい。けれど、まず、自分の中にあるものを吐き出すこと。すると自信も芽生えますし、周囲に与える影響も変わってきます。
スポーツの試合などではよく「気合いを入れろ」とか言われますが、皆、試合中は、気合いを入れてますよね(笑)。では、そんな時には、どういう言葉をかけるのか。そんなことを工夫したり勉強したりすることも、とても大切なことだと思っています。
文=谷端 加代子 写真=山口 亜希子